パーキンソン病は、脳の中にある「黒質」という部分の細胞が減ってしまう病気です。
「黒質」はからだの運動を円滑に行うために必要な「ドーパミン」という神経伝達物質を作るところです。
現在、パーキンソン病の有病率は、全国:15~17万人(人口10万人に対して100~150人)、発症年齢は、50から60歳代が多く、高齢者に多い特徴がありますが、若い人でも発症することがあります。
主な症状は、震えなど身体の動きに関連した運動障害をはじめ、自律神経、精神系に症状などが出てくることもあります。
●自律神経症状:便秘や立ちくらみ、排尿障害が起きやすく、また、脂っぽい汗をかきやすくなったり、よだれを垂らしやすくなります。
●精神系症状:抑うつ、意欲の低下、幻覚、妄想などが現れることもあります。
パーキンソン病の重症度は図の通りにⅠ度からⅤ度の5段階に分類されます。進行具合を的確に把握することが適切な治療やリハビリを行う上で大切になります。
パーキンソン病の治療には、薬物療法と手術療法、そしてリハビリテーションがありますが、基本は薬物療法です。
薬物治療には様々なお薬があり、それぞれに特徴があります。 患者さんの症状や年齢、活動度に応じ、医師が、薬の種類、服薬量、組み合わせを考えて、処方します。
まずは、来院いただき、パーキンソン病についての正しい情報を得て、治療の意味を理解することからはじめてください。
パーキンソン病は、薬物治療と並んで、リハビリテーションが重要です。
身体を動かすことは精神の機能を維持する上でも重要で、運動機能を高めることによって、転倒などによる怪我を予防することもできます。
ご自分の身体の調子に合わせて、できる範囲で継続して軽い運動を行うことをおすすめします。
パーキンソン病は、適切な治療とリハビリテーションを行えば、健康人と変わらない生活を送ることができます。発病を深刻に考えず、明るくいきるよう努力しましょう。
病気にとらわれすぎず生活を送ることができれば、きっと充実した日々になるとおもいます。
すべてをパーキンソン病のためと思わないようにしましょう。
他の病気である場合もあります。または、普通の老化現象である場合もあります。
自分では判断できない場合は、主治医の先生に相談しましょう。
日常生活でのちょっとした注意や工夫で大きく改善できます
パーキンソン病と診断されると落ち込む方もいらっしゃいますが、最近ではよく効くお薬も開発されています。
病気と向き合いながら、医師や家族との二人三脚で日々をすごしましょう。
家族や友人の方にもパーキンソン病をよく知っていただきましょう。また、同じような悩みをもった人々との交流は療養の支えとなります。全国的な組織として、「全国パーキンソン病友の会」があります。
会では医師、保健婦、栄養士などの医療スタッフによる講演会などもおこなわれています。
全国組織の会でなく、保健所の中にもこのような集まりをおこなっているところもあります。
周囲や家族の方も、精神的な介護も含め、どのような場合に援助し、どのような場合は動作がおそくても患者さん自身の行動を暖かく見守るべきか、などを理解することが大事である。
●便秘にならないように、繊維・水分を多く取る。
●骨がもろくなって、骨折しやすくなるのを防ぐために、カルシウムを十分取る。
●場合によっては、栄養士に栄養に関するカウンセリングを受ける。
●一度に長時間の運動、散歩、歩行をするよりも、朝、昼、夜と分けてする方が疲れという点でも、規則正しいという点でも望ましいことになります。
●できる限り多くの種類の練習や日常生活内での運動・動作を取り入れたり、趣味を生かしたりしながら、ある程度楽しみをもって、無理のないリハビリをおこなうことが長続きさせるためにも大切なことです。
こんにちは。院長の下田です。 パーキンソン病の患者さんは、“自分は治らない病気にかかり、しかも病気は進行し、結局は 動けなくなり、全面的に人の世話になるようになってしまう” と思い込みがちですが、決してそんなことはありません。
まずは、病気と自分自身の状態をよく理解し、家族や友人の方にもパーキンソン病をよく知っていただくことが大切です。
また、体調が悪い場合、すべてをパーキンソン病のためと思わないで下さい。
他の病気や、普通の老化現象である場合もあります。
ご自身で判断せず、医師と相談することが大切です。